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[アサヒ・アート・コラボレーション「岸にあがった花火−宮永愛子展」/東京]
アサヒ・アート・コラボレーション「岸にあがった花火−宮永愛子展」
“想い”がかたちづくる世界
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横永匡史
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「貴族的なピエロ」(一部)(7月15日撮影)
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「そらみみみそら(sumida)」(一部拡大)(7月15日撮影)
3.
「岸にあがった花火」(一部拡大)
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隅田川と吾妻橋
すみだリバーサイドホール・ギャラリー 展示風景
すみだリバーサイドホール・ギャラリー 展示風景
はじめに
夏の夜を彩る花火。
毎年夏になると、各地で花火大会が催されて多くの見物客を集める他、家庭においても線香花火やロケット花火などの手持ち花火を中心に、僕たちは頻繁に花火と戯れる。
なぜ、僕たちはかくも花火に魅かれるのだろう。
それには様々な理由があるのだろうが、その理由のなかには、花火がひと時の光を放った後に消えてしまうその儚さにあるように思う。
すぐに消えてしまうからこそ、僕たちは光の軌跡を見逃すまいと夢中になって追いかけていく。そして、ほどなくして花火の光が消えてしまっても、その残像は脳裏に焼きつくのだ。
僕たちは、花火がひと時だけの光を放ってすぐに消えてしまうという“変化”を惜しみつつも、そのことを受け入れ、むしろそのことを楽しんでいるのである。
そして、宮永愛子の作品もまた、“変化”に目を向けている。
宮永といえば、ナフタリンを様々な形にかたどり、時間の経過とともにナフタリンが昇華して形が崩れ、消えていってしまう作品で知られているが、近年は陶器や塩など新たな素材にも意欲的に取り組んでいる。
今回は、隅田川のたもとにある会場にちなみ、花火や川、そして付近一帯の生活に題材をとった作品を展示した。
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アサヒ・アート・コラボレーション
「岸にあがった花火−宮永愛子展」
すみだリバーサイドホール・ギャラリー、
アサヒビール本部ビル1階ロビー
(東京都墨田区)
2007年6月16日〜7月15日
著者プロフィールや、近況など。
横永匡史(よこながただし)
1972年栃木県生まれ。
2002年の「とかち国際現代アート展『デメーテル』」を見て現代美術に興味を持つ。
現在は、故郷で働きながら、合間を見て美術館やギャラリーに通う日々。
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