topreviews[週末芸術 Vol.03/栃木]
週末芸術 Vol.03

飯嶋英晶「A herd of elephant」
 
飯嶋英晶「A herd of elephant」
 
 
飯嶋英晶作品 展示風景
 
 
飯嶋英晶作品 展示風景
5/19〜20 飯嶋英晶

2週目は、弱冠20歳の飯嶋英晶による立体の作品「A herd of elephant」が展示された。
この展示は、飯嶋の専門学校の卒業制作展での展示に「週末芸術」主催者であるイシカワとシオダの両名がいたく惚れこんで実現したものだという。
今回の作品は床と壁に象の一部分を現した彫刻作品を複数設置し、象の家族の群れを表現している。
彫刻で表現されている部分はほんの一部分であり、観る者は群れを構成している象のいでたちや表情などをあれこれ想像しながら観ることになる。
象は、一番前の父親の象が尻と後ろ足だけ、他の象が鼻の先と頭の上端だけが表現されており、さながら水辺から岸に上がる光景を想像することができ、HAT cafeの室内にダイナミックな空間を現出させている。
また、このHAT cafeは2階にあり、1階はピロティになっている。いわば2階のHAT cafeは宙に浮かんだ構造になっているのだが、1階と2階とを結ぶ階段の途中からHAT cafeを観ると、ガラス張りのHAT cafeの内部と階下のピロティを一度に観ることができる。すると、本来であれば水面下に存在するであろう象の胴体が、水面に見立てたHAT cafeの床の下には存在しないように見える。HAT cafe内部で見たときに頭の中で思い描いた想定が覆されるのだ。そして僕たちは、またあれこれ空想をはじめる。
 象の胴体はどこへいったのか?
 そもそもあの象は何ものなのか?
飯嶋の「A herd of elephant」は、HAT cafeという特徴的な空間に展示されることによって、新たな魅力を引き出されたといっていいだろう。

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