topcolumns[ベルリンアート便り]
ベルリンアート便り
   
 
1
2
1.ミュンスター中央駅前。左の映画館も会場になっている2.レンタサイクルも用意されている






 1977年から10年に1回行われるミュンスター彫刻プロジェクトは、街中での作品設置を通して、アートと都市、市民、生活、公共性の関係を考えていく展覧会だ。4回目を迎える今年は、36名のアーティストが参加している。
印象に残ったものをいくつか紹介していこう。


 まずは旧市街に点在する作品から。
ハンス=ペーター・フェルドマン(写真3,4,5)は、薄暗くて不衛生というイメージが定着している公衆トイレを、「美しく快適な」場所に改装した。中には、百合の写真やおもちゃのカラフルなシャンデリアが取り付けられ、BGMも流れる。

シルケ・ワーグナー(写真6,7)は、ミュンスターでスクワットや反核デモの主導者として活躍したポール・ヴルフの広告塔を繁華街に設置する。広告塔には、彼の生涯やミュンスターでの反核運動に関する歴史的資料が貼付されている。このプロジェクトは、地元の環境センターと恊働で行われ、インターネットで閲覧可能なデジタルアーカイブも今回を機に作成された(http://www.uwz-archiv.de/)。

ドミニク・ゴンザレス=フォースター(写真8,9,10,11)は、「ミュンスターの小説」と題し、過去三回の彫刻プロジェクトで設置された作品(現存していないものも含む)のミニチュアを作り、芝生に並べた。無邪気な子供たちが、それらを遊具として使っている活用している光景も見られる。

マイク・ケリー(写真12,13,14)は、子やぎ、子ろば、子牛などが戯れる小さな動物園を作る。憩いの場かと思いきや、小屋の中にはロトの妻像(※ロトは創世記(旧約聖書)の登場人物。彼らの住むソドムが滅ぼされることを知り、ロトは妻と二人の娘を伴ってソドムを脱出し、近隣の都市へと向かう。逃げる際に「後ろを振り返ってはいけない」と指示されていたが、ロトの妻は後ろを振り返ってしまい、塩の柱になってしまったという話。)が中央に設置され、それを囲む3つのスクリーンでは、「ロトの妻」と名付けられた死海のほとりの岩などが写し出され、不気味な雰囲気を漂わせる。像は塩分を含んだ石で出来ており、動物たちは時々ペロペロ舐めにくる。この像こそが少しずつ変容していく「彫刻」なのだ。
3

4

5

6

7

8

9

10

11

12

13
14
3.ハンス=ペーター・フェルドマン/トイレ入り口 4.トイレ内部5.トイレ内部6.シルケ・ワーグナー/ポール・ヴルフの広告塔7. 記事の詳細8.ドミニク・ゴンザレス=フォースター/ミニチュア作品9.ミニチュア作品で遊ぶ子供10.写真8の左端に写っている作品の実物。イリヤ・カバコフ作。11.写真9の中央に写っている作品の実物。ホルヘ・パルド作。12.マイク・ケリー/小屋の内部13.小屋の外観14.動物たちはおとなしい
 
 
 |  | 3 前のページへ次のページへ
   
     

基本情報
タイトル:   sculpture projects muenster 07
会場: ミュンスター市内各所
期間:   2007年6月17日〜9月30日
ウェブサイト:   http://www.skulptur-projekte.de/

 

topnewsreviewscolumnspeoplespecialarchivewhat's PEELERwritersnewslettermail

Copyright (C) PEELER. All Rights Reserved.