topspecial[わたしのおきにいり/原井輝明]

茶碗

TEXT_原井輝明
原井輝明(はらいてるあき)
画家
1965年山口県宇部市生まれ、宇部市在住。


 

制作時には欠かせない道具や常にかけているCD、同じく自分の作品にインスピレーションを与えてくれた品々・・と云うことを問われると、素直にある音楽・・しかしそれを暴露したいと思いつつも躊躇ってしまう・・そんな音楽があります。
高校生の頃ハマリ、以後自分の一部の様に聞きつつも学生時代は周りの目を気にし、封印をしてしまいました。大学時代、フランスから呼び戻されて教鞭を執っていた今は亡きカリスマ的教授の研究室から、夕方、自分の時間になると大音量でその曲が流れていました。学生たちは、教授への憧れでその音楽のファンになりましたが、自分は告白することができませんでした。
地方に戻り、年齢も40を過ぎたこの歳になっても、自分と向き合うときにはこの曲が必要です。
この機会に打ち明けようと思いましたが、やはり、自分だけの心に秘めておきましょう。

・・そして数日後、
ふと気づけば、絵を描くときにもパソコンに向かっているときにもタバコを吸うときにも、いつも手元に置いている、そんなものがありました!
コーヒー茶碗です。手に馴染み、大きさや形や色も気に入っているのですが、側面についているイボイボが、太めの茶碗も片手で安心して持つことができ、最高です。

 


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