topreviews[瀬戸内国際芸術祭2010/瀬戸内海の7つの島+高松]
瀬戸内国際芸術祭2010

安岐理加《島―人が夢想するとき「森」「径」「泉」》

王文史の作品から樹々が茂った道を進むと安岐理加の作品にでくわします。安岐理加の作品《島―人が夢想するとき「森」「径」「泉」》は島内の3カ所に設置されています。樹々に吊るされた船のかたちの白いオブジェたち。光りながら風に揺られていました。その下に置かれていた箱の穴からも白い固まりが見えており、箱の中の小豆島の思い出、船の思い出が樹々の下までモクモクと浮かび上がってきたように見えます。

丹治嘉彦《海を繋ぐもの》

山道を抜けるとのどかな田んぼ風景です。そこには丹治嘉彦の《海を繋ぐもの》がありました。沢山の木を柱のようにまとめたものに、漁で使用される網が張ってあります。網の下で他者と接すると、網がその空間をおおらかに包んでくれそうです。


栗田宏一《土と生命の図書館》

栗田宏一の作品《土と生命の図書館》は安岐理加・丹治嘉彦の作品からさらに20分歩いた廃校の図書室にあります。炎天下の中この距離はきつい!ですが、図書館はとっても涼しいです。本に囲まれた部屋の真ん中にはカーペットのような土が四角にかたどられ、ずらっときれいに並んでいます。青色・黄色・赤色・茶色と色とりどりですが、すべて元々の土の色だそうです。採取した土地が隅にちょこっと書いてありますが、小学生から「どこの土!?」と沢山質問を受けたそうで、少しだけ書いておいたそうです。写真の奥にうつっているのが作家の栗田宏一です。


河口龍夫《心の巨人》


小豆島巡りの最後は河口龍夫の《心の巨人》です。こちらは旧米倉庫に展示されています。倉庫の中に入ると、壁・天井が黄色!河口カラーの空間になっています。この色は作家が塗ったわけではなく、元からこの黄色だったようです。壁には蜜蝋で封印した種子が巨大な人形を描くようにいくつもさしてあります。倉庫の入り口から漏れる光で作られる自分の影が少し大きく壁に映し出され、その影とこの種子で出来た心の巨人の大きさと比べ、人はこの大きくなった影よりももっと大きな思
いや夢、そして不安や未来をまとっているのではないかと感じました。

第2弾は犬島・豊島をご紹介予定です!
この夏にぜひ、瀬戸内の島々でのアートを感じてみてください。

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