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さかぎしよしおうインタビュー

また、来た。


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さかぎし
僕はけっこうまじめなんで、ほんとに毎日、土をいじってたんですよ。
でも3年くらい経ってどうにもならないんで、やっぱり土はご縁がなかったのかなって。

藤田
そこに「来た」わけですね。

さかぎし
そなの。
残念でした〜ちゃんちゃんかな、と思い始めたときに、ぱちゃっと跳ねた水滴で、「あれっ?」て(笑)。

藤田
石膏のときと同じですね(笑)。跳ねたので気付いたんですか?

さかぎし
「あれ? う、う゛をぉ、きたぁー」って、すごい幸せですよね。
そうなると止まらない、大変なことになった、って。
そんなときにこれまた、4年ぐらい音信不通だったのに、ギャラリエ アンドウさんから電話があるわけですよ。


藤田
気付かれたってことですか?それまで何もなかったのに?(笑)

さかぎし
何もないのに(笑)。
僕は3、4年何も発表していないし、世間からDMも来なくなって。
このまま街の中で「絵描きさんだったらしいよ」みたいに、こっそり作っていくのかなあって考えてたくらいですから。


藤田
えーっ、そこまでですか?

さかぎし
そんなタイミングで電話がかかってくると「どうしてるもなにも、また何かが起きたところですよ」と答えるわけです。
アンドウさんも「え、なになに、いまなにやってるの、素材は?」と聞いてきて。
「土です、焼き物の磁土です」と答えて。
「見せられないけど、何か起きてしまった。焼いたら見せます」と。
焼いたのを見せに行ったら、アンドウさんは石膏のときもどっひゃーってなってしまったのだけど、この作品もどっひゃーとなってしまった。


藤田
硬さとか焼いたときに変化するとか分からなかったのに「来た」って分かるんですね。

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神奈川県立近代美術館・葉山
「プライマリー・フィールド展」会場風景
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さかぎし
さすがにそういう大きい出来事はわかりますねぇ(笑顔)。
技術的にはもちろん最初からうまくはいかないですけどね。
それから毎年ギャラリエ アンドウで発表して。
2002年に京都芸術センター「プログラム・シード−〈かたち〉の生まれる時」で展示して、2004年のαmプロジェクト、2005年の愛知県美術館「アジアの潜在力」、そして昨年末から年始にかけての森美術館「六本木クロッシング」、神奈川県立近代美術館 葉山「プライマリー・フィールド 美術の現在−七つの<場>との対話」ですね。
(画像=i、j)


藤田
「プライマリー・フィールド」はチラシにもなってすごかったですね。「六本木クロッシング」も両方、トークおもしろかったですし。

さかぎし
ここ数年の流れは明らかにナラムラカミだったのに、そうじゃない美術をちゃんと観ていてくださったキュレータさんもいたんですね(笑)。


 
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