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大崎のぶゆきインタビュー
 
見えるものと中にあるものとその間
シニフィエ/シニフィアン

Nobuyuki Osaki Interview

藤田
「文化庁メディア芸術祭」、すっごい混んでた最終日に見に行きました、遅くてごめんなさい。。。
あの映像って、私が2007年に京都芸術センター「版という距離」でも見た「星座」の作品と同様、CGですよね。

大崎
CGじゃないですよ!

water drawing-stardust - / 2007 インスタレーション 「版という距離」/京都芸術センター/ 2007
藤田
エーッ!!まじで??



自分とはなにか

  water drawing-stardust 0802-/ 2008 インスタレーション 京都京都芸術センター公募大崎のぶゆき個展「meltdown」/京都芸術センター/2008

藤田
CGじゃないって、なんなんですか。

大崎
あれは絵が溶けているんですよ。


藤田
?????

大崎
そもそも「溶ける絵」を描きたくて。
えーっと、じゃぁ、昔の話からしましょう。
僕は京都市立芸術大学で、版画専攻だったんですね。
大学ではいわゆる版画というメディアの問題、つまり「版画というのはどうなのか」、「版画をアートの中でどう位置づけるか」といったように、版画における表現の方法を問われてきたんですね。
そこで僕は「セルフポートレイト」の作品をつくりました。


藤田
写真で、ですか?

大崎
写真で撮影して、等身大のシルクスクリーンにしました。


藤田
大きいですね。

water drawing0601/ 2006 インスタレーション 「夢を見る夢−13月の日記」/GALLERY RAKU/2006


大崎
そうですね。
学生だったので、先生に「なぜセルフポートレイトなのか?」と問われます。
ちょうどリヒターなどの絵画と写真の関係や写真、映像における意味や問題とかが言われていた時代だったせいもあり、先生たちには、「セルフポートレイトを撮っている意味とは何か」みたいなことを聞かれたんです。
僕としては、別に誰でもよかった、人の身体をつかいたかった、でもモデルがいなかったので、自分の裸を撮影した、というだけでした。
はじめは「セルフポートレイト」を「撮影する」ことについての意味はなくて、身体をバラバラにして再構築するような作品を作りたかっただけなんです。
でも、セルフタイマーで撮影していたのですが、できた写真が自分じゃないみたいに見えたことが、だんだん興味深くなってきて。


藤田
特にピントを合わせてないとか、手を加えていたわけではなくて?

大崎
忠実に、ふつうに撮影していたんです。素材として。
客観視というより「僕ってこんなに足が短いのか」とか「こんなフォルムしてるんだ」とか(笑)。
鏡で見るのと違う変な、妙な気分、ドッペルゲンガーみたいな気分です。
中学生の悩みみたいですけど「自分って何かな」、「自分とか他者って何だろう」と思いはじめた。
そういった考えをアートワークとして形にしていく、というのが僕の制作の方法論になってます。


大崎の「崎」、正しくは  です。
 
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大崎のぶゆき(おおさきのぶゆき)
1975   大阪生まれ
1998   京都市立芸術大学美術学部美術科版画専攻卒業
2000   京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻(版画)修了
2003   大阪府芸術家交流事業「ART-EX」により、ドイツ・デュセルドルフ市に滞在
現在   愛知県在住

個展(2000年以降)
2008   「ファンタム」 galerie 16
『京都京都芸術センター公募 大崎のぶゆき「meltdown」』京都芸術センター
2007   「meltdown on the reality」Gallery Jin、東京
2004   「Landscape」Luce Verde open space、愛媛
「イメージの皮剥ぎ」Gallery Jin、東京
2003   「Between Inside and Outside」 Kunstraum, デュセルドルフ ドイツ
「Distance of Interval」CAI、 ハンブルク ドイツ
「皮膚呼吸」大阪府立現代美術センター
2002   「間の距離」Oギャラリーeyes、大阪
「間の距離」OギャラリーU.Ps、東京
2001   「内と外とその間」galerie 16、京都
「内と外とその間」inart.g、大阪

主なグループ展
2009   「エキゾチックーひかりのまち」 愛知児童総合センター、愛知
「第12回文化庁メディア芸術祭」(審査委員会推薦作品)国立新美術館、東京
2008   「INDIRECT'08S」 GALLERY APA 、愛知
2007   「5-7-5」 クンストハウス, ハンブルク・ドイツ
「新・公募 Re-Act 」広島市現代美術館
「版という距離」 京都芸術センター
「Independent 2007-Double Reality-」愛知県美術ギャラリーH・I室
2005   「見る私/見られる私-京都市美術館コレクション展-」京都市美術館
「拡張する有機体」CASO、大阪
2004   「版画の力」京都府立文化博物館
2002   「京都府美術工芸新鋭選抜展-新しい波-」京都府立文化博物館
「ISEA2002 Media Select Program・不死身の空間」名古屋市民ギャラリー矢田
2001   「Nomart Project -イメージ・オン・イメージ-」 ノマルエディションプロジェクトスペース、大阪
1998   「神戸アートアニュアル 映像考/...」 神戸アートビレッジセンター

その他の活動
2006   アートユニット「夢をみる夢(大崎のぶゆき、高橋耕平、田中さつき)」結成

パブリックコレクション  
町田市立国際版画美術館 京都市美術館 三戸町立現代版画研究所 京都市立芸術大学資料館

今後の活動
2009年9/11〜個展(MIKIKO SATO GALLERY、ハンブルク・ドイツ)
大崎のぶゆきさん 

 



 

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