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北川宏人インタビュー



同時代の人間を等身大で作りたい


近未来からやって来た青い髪の少年の像。
クールで、スマート、それでいて人間と同じ背丈の像は見る者の目を奪う。
作者は北川宏人。
この7月には初めてのデパート(新宿高島屋)での個展、そのあとにソウルなど海外でのグループショウ、冬には東京国立近代美術館工芸館でのグループ展、といくつもの展覧会がひかえている北川にインタビューを行った。

INTERVIEWER 藤田千彩
ニュータイプ2003 - ブラック
テラコッタ、アクリル彩色 /h.170cm 制作年 2003


地縁、土地、場所

藤田
こんにちは。北川さんは滋賀出身なんだけど、本当は私と同じ岡山関係者ですよね。

 
ニュータイプ2003 - チャッピー
テラコッタ、h.123cm 制作年 2003
北川
そうそう、母親が岡山だから。


藤田
そういう地縁で知り合ったけど、東京に住んでらっしゃる。

北川
東京はいいよね。


藤田
なんで東京に住んでるんですか?

北川
イタリア時代の友達がやってきても、大阪より東京に来るから会えるし。
いま高尾っていう東京でも郊外にいるけど、ここは自然もあって本当にいい。


藤田
イタリアはどのくらい行ってたんですか?

北川
金沢の大学を出て、その翌年から。1990年のことでした。
彫刻を学ぶために学校に行ったりして、14年間いました。


藤田
ちょ、彫刻なの?これ???

 
 
 
アトリエにて
素材

北川
テラコッタで作ってる「彫刻」だよ。

藤田
彫塑とか彫刻とか、日本語はややこしいね。

北川
僕がイタリアに行ったころっていうのは、アルテ・ポーヴェラの時流のころで、大理石とか高級素材を使った彫刻を使う人が少なくなってたんだ。
そういったなかで、僕はテラコッタを選んだ。


藤田
テラコッタってそれまでやってたんですか?

北川
大学でちょこっと、授業の1コマみたいにね。
でもイタリアじゃもっとポピュラーな素材でした。
粘土の作品を空洞にするテクニックさえ学べば、あとは焼けばいいだけだし。
今となっては、型どりしなくていい手軽さが気に入ってます。


藤田
そっか、この人間みたいなの焼いてるんだ、ちょっと気持ち悪い。

北川
「モノ」じゃん、しょせん。足とかぼきって折れることだってあるわけだし。


藤田
「モノ」ですか(笑)。でも、等身大で、こんなリアルな像ってすごいよね。

北川 
いまのところ僕しかできないと思ってる、なんてね。



 
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北川宏人(きたがわひろと)
1967   滋賀県大津市生まれ
1989   金沢美術工芸大学彫刻科卒業
1990   渡伊 ミラノ、アカデミア美術学院彫刻科入学 翌年、カラーラに移住
1998   カラーラ、アカデミア美術学院彫刻科卒業
2004   帰国, 現在 東京在住
1998   スワンプランド/レーゲンスブルグ ドイツ
奈義町現代美術館/岡山県 奈義町
2002   ヨシアキ イノウエ ギャラリー/大阪 (’03, ’04, ’06)
スパッツィオ コンソロ(マレッラ アルテ コンテンポラーネア)/ミラノ イタリア
2005   「Alternative Paradise~もうひとつの楽園」展 /金沢21世紀美術館 
アートフェア東京 / 東京  (’07)
2006   ジャパニメーション / BTAP /北京 中国
2007   新宿高島屋美術画廊 /東京、新宿
北川宏人さん 
 



 

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