toppeople[竹田尚史インタビュー]
竹田尚史インタビュー
2005年に入って、「GHOST OF GHOST 完全なる不定形」「FRAGMENT」という東海地方を中心に活動する作家によるショーを企画、出品した竹田尚史さん。
企画者としてではなく、作家としての竹田さんに作品についてお話をお伺いした。

INTERVIEWER 野田利也
左)空気になる私2005
右)64kg(食料)
いずれも竹田自身の質量を物質に変換させた作品。

なんで僕はここを歩いてるんだろう




嘘の世界でつく嘘


なんで僕はここを歩いてるんだろう

野田
今回の個展「うらがえった、へや」*1での作品のいくつかは「自己」を表現したものでしたが、とりわけ「体重」や「質量」といった、物理的な条件へ興味が向いているのは何故ですか?(アイデンティティや個人的体験、精神面な事柄と違って、「体重」や「質量」などは、同じ条件を満たす他者は数多く存在しています。そう言った意味での「非オリジナル」を主題に自己を表現していることに興味があります。)

*1 個展「うらがえった、へや」は5人の連続個展と2人展1回によって構成されたFRAGMENT」の第1回目として開催された。

竹田
いきなり核心を突いてきますね。全部話すのは大変なのでさわりから。
なぜ質量かという問いと、非オリジナルについての問いですが、まず質量ですが、私はそれが人間にとってすべてのものに対しての等価な自己表現だから、と答えるでしょう。
そして私のオリジナル感ですが、自分の存在理由を考えるとき、自分達はなにかのために、または何かをするために存在していると考えたりすると思いますが、私はかなり違い、自分の存在にまったく意味や理由はないと考えています。自己を記憶や、体験、感情などで考える時、すごくリアルなフィクションだ、と断言します。(かなりよくいいきっちゃいます。)

野田
そのような考えに至った原因は何かあるのですか?

私には幾つかの体験があって、そのように思うようになったのですが、それが他の人とは少し違う自己認識を作り出していると思います。その体験に、私のオリジナリティーの考え方が生まれた秘密があると思います。確実にその体験から生き方自体が変わっていますから。
だから私にとって、アイデンティティーなどで、オリジナリティーを語ることはとても難しいことですね。もう物事を一つ一つで見る時代は終わったと思いますし、一人一つのオリジナリティーなんて意味ないんじゃないかと思ってます。オリジナリティーというものは実はただの人間の独りよがりな面なのではないかと私は思うのですが・・・。

野田
自身を含む個々人の持ちうる物語というものを作品化しようとは考えていないようですね。
しかも、それが竹田さん自身が人生を左右した体験(物語)に起因しているというのが興味深いですね。それについて聞かせてもらえますか?


竹田
では少し、その体験について話しましょうか。と言っても実はそんなに大げさなものではないのですが・・・。
ちょうど私が中学二年生のときの話です。その時私は、普通に学校から下校していました。すると突然「なんで僕はここを歩いてるんだろう」と思ったのです。そこに自分が立っている事自体わからなくなったのです。ただそれだけの体験なのですが・・・。

野田
それは白昼夢みたいなものだったのでしょうか?


その事を、今自分なりに自己分析してみると、その瞬間、私は言葉と自分を分離させていたのだと思います。
私は人間性を作り上げるのに言葉はかなりの割合で人に影響を与え、記憶とか、行動、自己、思想、などなどほとんどのものが言葉から構成されていると思ってます。その言葉を人から切り離したらどうなるんでしょう。そのとき私が見た世界は、まさにそれで、そこには言葉は完全に消滅していて、そこから初めて時間が動き出したような、すべてが真っ平らになってしまったようなそんなふうに世界を見ていました。
私が自己を表現するときに、そこにアイデンティティや、個人の記憶など、一般的にいうオリジナリティーを用いないのは、そういった体験からきています。オリジナリティーという言葉は、私にとってリアルなものではないのです。
オリジナリティーという言葉を野田さんは「物語」と表現しましたが、その表現には凄く共感できますね。アイデンティティや記憶など、ほとんどは言語であって、小説などと同じようなものに私には思えてならないです。ですから生きているすべての事が小説のように創り上げられた世界だと私は思っていて、そのように創り上げられたリアリティーで何が語れるのか何が表現できるのかと常に思いますね。ただ今もそうなのですが私自身その物語の中にいる事は事実ですし、そこからいかに、その物語を破壊できるかと思います。
私はこの嘘の世界にあきあきしているんだと思います。

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竹田尚史(たけだ・ひさし)
1976   愛知県生まれ
2005   名古屋造形芸術大学大学院在籍

主な個展歴
2002   空気のある部屋 Dギャラリー
四角い部屋 suclptuer gallery ,temporary project room
2003   hisashi takeda exhibitrion U8PROJECTS
2004   OVER WHITE HOLE . deja vu 豊田市美術館ギャラリー
∞・0U8PROJECTS、temporary project room
竹田尚史さん 

主なグループ展歴
2002   TRANSIT デュッセルドルフ芸術アカデミー,
3cmの空中舞台 zoneギャラリー
contact lends Dギャラリー  名古屋造形芸術大学内
turn round temporary project room
TRANSIT2002 市民ギャラリー矢田(ドイツバウハウス大学との交流展)
TRANSIT2002 デュッセルドルフ芸術アカデミー(ドイツバウハウス大学との交流展)
2004   交流 White hole 名古屋造形芸術大内
交流展 WHITE HOLE U8PROJECTS(愛知県立芸術大学、名古屋芸術大学)
新言語 エビスアートラボ
TRANSIT2004ドイツワイマール バウハウス大学との交流展
conranshou OKADASTADIO
Grand Weeds ポートメッセ名古屋
TRANSIT 2004 豊田市美術館ギャラリー、七州城隅櫓
Uの2の3乗 temporary project room future launge



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