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西野達インタビュー


《 Villa Chemin_e, 》2009, Cordemais, France, 撮影: Gino Maccarinelli
のどかな川辺の風景ですね。

西野達という芸術家



《Villa Chemin_e, 》2009, Cordemais, France, 撮影:Tatzu Nishi
「火力発電所の煙突のコピーに家を建てる」というプロジェクトです。
ここは今、ホテルとして営業中。


《Villa Chemin_e,》 撮影:Gino Maccarinelli



《Villa Chemin_e,》2009 Cordemais 撮影:Gino Maccarinelli



友利
西野さんの作品って、会期が終わったらすぐに撤去されちゃうじゃないですか。
もったいないですよね。惜しくないですか?

西野
惜しくはないですよ。


友利
ホテルを建てて「売ってくれ」って言われたら売っちゃう?

西野
売れないですよ。モニュメントが入ってるんだから。
俺ね、作品を売買するのが基本的に嫌なんだ。
1997年から作家生活を始めたんだけど、作品を売らずに作家生活をする事が出来ないかずっと考えていて、その回答の一つが「ホテルプロジェクト」なんだ。例えばモニュメントにリビングルームを建てる作品は、彫刻の多くがそこの町の所有物なので、その彫刻がないと成り立たない俺の作品を売る事は出来ない。でも生きるために金は必要。ホテルプロジェクトで俺が宿泊代を受け取る事が出来れば,作家が作品を売らないにも関わらず自分の作品からお金を得る事が出来る。でもあくまでも可能性としてだけの話で,実際に宿泊代をもらう事は今まで無かったけどね。
今フランスのナントで初めてのパーマネント作品としてホテルプロジェクトをしているけど,これは宿泊代の10%を俺が受け取れるようになっているんだ。パーマネントだから,死ぬまで俺にいくらかのお金が入ってくる。ただし1ヶ月で15,000円程度なんだけど、でも俺にとっては大きな一歩なんだ。



作品の売買はどうしてお嫌いなんですか?

西野
芸術家って職業じゃないし、お金を儲ける手段でもない。お金が儲かるに越した事はないけど,お金を得るために作品を作っているわけじゃない。
昔、「芸術家は霞を食って生きてく」みたいな言葉があったから、この考えは古い物なのかもしれない。でも昔からそう言われていたって事は,何か真実が隠されているのかもしれない。
芸術家は俺の中ではあいかわらずそんなイメージがあるよ。芸術家はこの独特の立場だからこそ,この世界で存在価値があり,人に想像力を与え続けることを許されていると思っているんだ。芸術作品について言えば,作品が目に見えて何かの役に立つといった物でもないよね。この一件無価値な立場が、芸術作品を作る時のあるいは見る時の想像力の最大の武器になっていると思ってる。
でも金儲けのために芸術家をやってる人がいたとしても、それはその作家の考えなのだからとやかく言うつもりもない。良い作品が出来るのが最も重要なのだから。


友利
これから、展覧会をしてみたい国ってありますか?

西野
中国ですね。あと、前やった展覧会がちょっと満足できなかったから、北アメリカかな。
名古屋からドイツに帰ったら、すぐにドイツで2つやるよ。


友利
どんなプランか、知りたいところですが、
西野さんの作品は、「驚き感」が大切なので聞かないことにしましょうかね。
今日はお忙しいところありがとうございました。

《H_roe》 2010 Guatemala City 撮影:The Fundacion Paiz
グアテマラでのプロジェクト。この画像だけ見ると、「へー、どこかで見たような彫刻ね」「部屋の割りに置物が大きすぎるんじゃない」って思いますね。

《H_roe》 2010 Guatemala City, 撮影:Tatzu Nishi

《H_roe》2010 Guatemala City 撮影:Tatzu Nishi 
野外のモニュメントだったんですね!

 
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