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アートの近所 ET4U/デンマーク〜デンマークからお土産編〜



デンマークからお土産編

「デンマークへ行って来たよ」と友人に話をすると次に会った時、ほとんどの人が「スウェーデンにいったんだよね?」とか「ベルギーのことを教えて」「スイスはどうだった?」と国名を間違って覚えている。それほど、ヨーロッパのどこかの国「デンマーク」は日本からは遠いのだろう。行く前は私もその一人。今回お勧めのアートスポットを御紹介して、お土産にしようと思う。
LOUISIANA ルイジアナ
http://www.louisiana.dk/

コペンハーゲンから、電車で30分ほど少し離れたリゾート地にある、観光スポットにもなっている場所。海に面した眺めのよい広いカフェに芝生、一見リゾート施設だが、大きな展示室を持った美術館。日の長くなるこの頃の季節から、日光浴をしながら子供を遊ばせる家族ずれも多い。展示室は北館、南館、東館、西館に別れ自然の丘陵をいかして作られている。その周りの庭にはカルダーのモニュメントや、リチャード・セラの作品が配置されている。私が行った時には、リヒターの企画展示が行われていて、かなりの量の作品をいっぺんに見る事ができた。コレクションは、Sigmar Polke, Dan Flavin, Mona Hatoum等々、こちらも多数の作品をみることができる。まる1日を使う事をお勧めする。デンマークの物価は高いため、カフェのメニューは、少々高めだが、ビールにボリュームのあるサンドイッチをカフェの窓際で食べてはかなり贅沢な気分に!
 
パンフレットの一部より。英語のテキストがきちんと揃っています。
Nikolaja, Copenhagen Contemporary Art Center/
ニコライ コンテンポラリーアートセンター

http://www.nikolaj-ccac.dk/

近くにロイヤルコペンハーゲンや、ジョージジェンセンなどのデンマークの高級プロダクトのお店も並ぶ、コペンハーゲンの中心地に位置する。会場は16世紀のゴシック建築の様式がみられる教会で、内装もほとんど手をいれずにそのままの状態で作品展示を行っている。書物に1261年には同じ場所に教会があったとしるされるほど、その歴史は古く、コンテンポラリーアートセンターとしては1957年より活動を初めている。フルクサスのコンサートも行われた事(1962)があり、現在にいたるまで様々な活動をしている。内装のせいか、作品のプレゼンテーションの印象は、少々ラフであったが、開催されていた企画展「RE-ACT」「Requiem」共に、挑戦的で非常に興味深いものであった。後で、出会ったレジデンスのアーティストも大変重要な場所であると紹介してくれた。年内に、日本に関する展示もあると言う事。
 
パンフレットより展示会場の様子、天井も高く空間が面白い。
 
Aros (AARHUS KUNSTMUSEUM) オーフス美術館
http://www.aros.dk/

コペンハーゲンからは特急で3時間かかるが、大学があり若者が多い街、オーフスの美術館。ロン・ミニュックの大作「Boy」が吹き抜けのフロアーに展示されていて圧巻。どこかで見たことあるかも?と思わせる建築だが、各フロアーかなり興味深いコレクションが充実し展示室も見やすく美しい。コレクションは「黄金時代(1770~)」をはじめとし、デンマークの作家を中心に広い分野に関して鑑賞することができる。特筆すべきは、その最下階にある暗室インスタレーションのためだけのフロアー。企画展が行われていたビル・ビオラを始め、トニー・アウスラー、ジェームス・タレル等、作品に合わせブースを分け、それぞれを展示し常設展示としていつでも見られるようになっている。ブースはまだ空いている所も在り今後のコレクションにも期待が高まる。また、チケットを買うとそれで展示室を出たり入ったりできるため、展示室をでてカフェコーナー、ブックショップを行き来する事ができる。作品が多いので休憩しながら鑑賞時間をたっぷりとりたい。渡り廊下から全面ガラス張りの外壁を通してみるオーフスの町並みも気持ちが良い。
 
上)外からちらりと見える「BOY」。作品横の鑑賞者の影を見ると大きさがわかるかな?
下)エントランスを入ったところの吹き抜け。どこかに似てる?
Danish Design Center デンマークデザインセンター
http://www.ddc.dk/

左)展示会場の様子
右)天井の高いカフェスペース

言わずと知れた、北欧デザインをみるならココのデザインセンター。チボリ公園のすぐ隣でアクセスが便利なせいか、日本人観光客(北欧デザインガイドブック?持参)も多く見られた。期待よりは展示スペース、コレクションの規模は小さいので、お高い入場料が勿体無い方は、エントランスのお土産コーナーだけの見学だけをお勧め。また、吹き抜けのフロアーはとても気持ちがよく、ピストレットの作品を思い出すカフェコーナーはキッチュでいかにも北欧デザインの爽やかさを味わえるかも?
Fabrikken for Kunst og Design (the factory for Art & Design)
http://www.ffkd.dk/

コペンハーゲンの地下鉄にのり「Amagerbro」下車。徒歩十分。公団住宅の中にあり、レジデンス施設も備えたアートセンター。公団住民なのか?アル中風の年寄りを見かけて少々ドキドキしながら探し歩いた。入り口はどこかの公民館風だが、もともと工場の倉庫であったので天井が高く、空間も興味深い。作業するアーティストに話し掛ける事もできるので、アーティストは必ず訪れて!私の行った時には、Frank Franzenのキュレーションする、2つのプロジェクト「DIALOGUE」と「THE SHOWROOM」プロジェクトのプレゼンテーションをみることができた。「DIALOGUE」は複数のアーティストが高さ4メートル幅12メートルの「壁」を利用して作品を展開するインスタレーション展示。巨大な空間を生かされた作品達は、それだけでも見ごたえがあり、アーティストのエネルギーを感じた。また同時に白い可動式の壁を利用してホワイトキューブをつくり映像作品を展示していた。こちらが「THE SHOWROOM」のFrank Franzen自身の作品。今回はホワイトキューブの壁一面の映像投影だが、2004年9月より2005年の5月までに7人のアーティストが、時期を変え、その壁を移動させそれぞれの形式の違う作品のために空間を変えて、プレゼンテーションを続けて来たと言う。Frank Franzenは最後の展示であったが、彼は次回、ニコライ コンテンポラリーアートセンターでの展示が決まっているそうだ。余談だがコペンハーゲンの地下鉄は新しくなっていてかなり未来的な建築。こちらも是非チェックして。
 
 
上)外観。一見公民館風でまったく広さがわからない。
下)中に入ると天井が高く吹き抜けの空間が広がっている。
 
ET4U(En Tangsooade4Udstilling)
http://www.et4u.dk/

御存じの?ET4U。中心からも遠く、駅からも車がないと辿り着くのが困難なので、忙しい方は、かなりの無理をしなくては行けないが、時間をかけて作品を見ることができ、地道な活動をしているアーティストランスペース。いかれる方は一度コンタクトを取られる事をお勧めします。また、海にも近いため、サマーハウスもあり、季節限定のリゾート地。一息つきながらゆったりデンマークの地形を味わうにはぴったりの環境!
 
エントランスから見た展示風景。古い家なので少しだけドアが傾いています。

同じ作家の作品を、世界の大きな美術館で何度もみかけることに最近、少々疑問をもつ。もちろん、世界のどこかで、私とは、別のバックグランドをもった人たち、別の時代に生きていた人たちが愛でていたものを、自分の住んでいる場所で、生きている時代に同じように鑑賞できることは、とても贅沢なことだと思うし、興味深い作品を見られる環境を有り難いと思う。一方でET4UやFabrikken for Kunst og Designのようなアーティストランスペース、アートセンターで出会う作品から、その場所の人のバックグランドを発見したり、共有することのできる価値観や人々に出会えた時、その土地、その時代の希有な出会いに感謝する。これは、決してデンマーク、ヨーロッパに限った話ではないと思う。「アートの近所」は、あなたの近所。さあ、お出かけしましょう!

池田朗子の今後の予定
11月後半に、京都造形大学内のギャラリーで開催されるグループ展に出品予定。詳細は後日ホームページにて告知いたします。


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