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「連III−たましら−」展示風景(室内の照明を落としたところ)
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「連III−たましら−」展示風景(室内の照明を落とし、ドアを閉め切ったところ)
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一方、その奥にある「SPACE-U」では、前回の展示『連II−励起−』展の流れをくむ展示が行われた。
前回の『連II−励起−』展では、来場者に願い事を書いてもらい、その紙と鈴を入れた風船を膨らませてもらう、という展示が行われた。
膨らんだ風船は、宇宙空間に見立てて照明を落とされた「SPACE-U」の中に展示され、来場者の動きが作り出す空気の流れに敏感に反応して鈴がかすかな音色を奏でる。そして、たくさんの鈴の音色が重なり、まるで宇宙の中でたくさんの願いが共鳴しあうような空間が創出されていた。
今回相田は、陶芸家らしく、その風船の空気を抜いて陶土で包み、窯で素焼きにし、それをテグスで天井から吊した。
一つひとつの球体は、ホワイトキューブの中でも映えるように、白いもの、茶色のもの、黒いものなど、焼き方や窯に入れる時間などを調整して焼いている。ものによっては表面に虹彩が表れているものもあって、それぞれが違う表情をしている。そして、一つひとつの球体は、ちょうど両手で包むことができるくらいの大きさになっている。それぞれの球体に中に込められたそれぞれの願い。それらがほのかなぬくもりをもっているように感じられ、何ともいとおしい。
そして、室内にこれらの球体が浮かんでいる様は、まるで宇宙空間のように見える。
人は太古の昔より夜空に瞬く星たちに願いを託していたが、ここではまさにそうした願いが星となっているのだ。
そしてそうした星に、来場者は、発光する液体が入ったチューブを巻きつけていく。
そして室内の照明を落とすと、暗闇の中にそれぞれの球体に巻きつけられた発光するチューブが発する円環状の光が徐々に浮かび上がってくる。
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