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築港赤レンガ倉庫オープンアトリエ 
 
 
 赤レンガ倉庫外観


「春の殻」(C)YangJah
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土星の会
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プレゼンテーション風景



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プレゼンテーション後のフリートーク
左、池田修氏(PHスタジオ)右、金悠美氏


オープニングパーティ風景

大阪で赤レンガ倉庫をアトリエとして使ってます

大阪駅から地下鉄に乗って30分くらいの大阪港駅から徒歩5分の位置にある築港赤レンガ倉庫。大正時代に竣工し、1999年まで実際に倉庫として使用されていました。現在大阪市が所有し、芸術文化事業が2000年よりスタートし、その企画、運営を行っているのが、大阪アーツアポリアです。プログラムは現代美術、サウンドアート、ライブラリーなどがあり、私は2年前から1年間はクリーンアーティスツプロジェクト、1年間はアトちゃん会に参加しこの倉庫をアトリエとして使用しています。今回は2005年3月19日〜27日のオープンアトリエをレポートします。

■クリーンアーティスツプロジェクト
昨年6月から公募で選ばれた10名のアーティストが赤レンガ倉庫を使用する対価として掃除し、月例ミーティング、10月の中間報告会、3月の修了展を通じて制作を行うことを支援するもの。私がこのプログラムに参加して感じたことはアートにとって大切なのは制作に加えて、何を伝えるのか、どう伝えるのか、そして人はそれをどう感じるのかという基本的なことでした。


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「脚立ギャラリー」細谷知子

今回の修了展で作品を紹介すると細谷知子の「脚立ギャラリー」です。暗くした倉庫の中に背よりの高い所にある6個のくぼみの中に照明があたり小さく光っている。このくぼみは地盤沈下によって当初2階あった倉庫の床を取り除いた梁があった場所で、その下にそれぞれ脚立があり、そこに登ると小さい彼女の世界観がみえてくる。それは何も書いてないマイブックという文庫本に今日までの日付のスタンプが押してあるものや彼女が使ったコンタクトレンズを粉にしビンにつめたものなどである。この赤レンガ倉庫ならではの作品であり、大正時代からこの倉庫に存在した人のささやきが聞こえてきそうな作品であった。
また21日にWI'RE川崎歩Yangjah(音*清水まなメラケンスケ)、土星の会がそれぞれ迫力あるパフォーマンスを行った。20日にあったプレゼンテーションでは池田修(PHスタジオ)、金悠美(近畿大学文芸部非常勤講師)らをコメンテーターとしてむかえ、アーティストがそれぞれメディアを使ってそれぞれの作品について話をしました。それに対して、「自分の中だけで完結していていて、何も伝わってこない」「既にある作品と比べてどのような意識をもっているのか」「目標としてどこを目指しているのか」など鋭いコメントがあり、またお金の問題にも話が進み、金さんの「お金は責任と関わってくる」という意見や池田さんの運営するBankArtの事情などはプロとしてのアーティストがどうあるべきなのか考えさせられました。


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「privatefigureosaka05―01」田岡和也
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■アトちゃん会
クリーンアーティスツプログラムを去年修了したアーティストの有志が、1つの倉庫を共同運営するのが「アトちゃん会」です。これに私も会員として参加してます。今回は実際にいつも使っている倉庫で制作しているところを公開しました。

この中で紹介するのは田岡和也の「privatefigureosaka05―01」です。日常の風景を繊細な線と確かなデッサン力で画面内にコラージュし、新たに再編成されてたパースペクティブな空間を描いている。田岡のコメントに「人を日常の関係性からとらえたいと思っていてそれは私的で詩的で史的なものです。」とある。ちょっと指摘したくなります。


「人生卓球大会」市居啓子
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あと、自分の作品についてですが、「人生卓球大会」という参加型の作品を作ってます。このコンセプトは「この卓球台は山あり谷ありです。ふつうに打ってもまずまっすぐ飛ばないでしょう。スポーツしながら芸術鑑賞もでき、体力増進、忍耐力向上、精神統一もできることもあるかもしれない作品です。」。今回は参加者などからの意見のもとにおいてある山などを改造し、よりよい作品を目指しました。参加型の作品なので、オープンアトリエで人が来てくれると何度も試してもらえるのが嬉しく感じます。

私はもう1年間、この赤レンガ倉庫を使う予定です。もうすこし実験的なことに挑戦してみたいなあと考えています。ただし普段は非公開ですので大阪アーツアポリアのホームページなどで確かめてからお越し下さい。散歩がてら来る感じの方から、熱くアーツに関わりたい気持ちを持っていらっしゃる方までどんどんお越しいただければいいなあと願っています。

TEXT/PHOTO 市居啓子
(「春の殻」(C)YangJahを除く)

築港赤レンガ倉庫オープンアトリエ

2005年3月19〜27日
築港赤レンガ倉庫

著者プロフィールや、近況など。

市居啓子(いちいけいこ)

Re:Olympicに人生卓球大会が出場します
〜肩書きも立場も全部脱ぎ捨てて、アートとスポーツでコミュニケーションを〜
日時:2005年5月1日(日)午前10時〜午後7時
場所:築港赤レンガ倉庫/大阪アーツアポリア、海岸通ギャラリーCASO、他

市居啓子web http://www.geocities.jp/keippy1

 

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