top\reviews[Gallery 覚・ギャラリー 本城合同企画 山下律子展/東京]
Gallery 覚・ギャラリー 本城合同企画 山下律子展

左から
『KNOU』
273×455mm 2005
『MONTSE』
500×727mm 2004
『OPEL』
500×727mm 2005

左から
『POGOR』
500×727mm 2005
『TOSTA』
273×455mm 2005
『STETHOSCOPE』
273×455mm 2005

左から
『TOSTA』
273×455mm 2005
『STETHOSCOPE』
273×455mm 2005
『Erai』
273×455mm 2005
『KANOU』
273×455mm 2005
"MONTSE"oil n canvas 2005年制作 500×727mm

絵具は塗らない、絵具を削るのです

初めて山下律子の作品を見たときの衝撃は、忘れられない。
そもそも作品を知らないで、某雑誌に紹介記事を書く(注/よくあることです)になり、プレスリリースを読んだときのドキドキ感。
そして、実際の作品を見たときのスゲーッ!と声に出してしまったくらいの感嘆。
美術史をひもといても分かるように、「技法」というのは作家にとって個性の見せ場であろう。
今にはじまったことではないが、「平面絵画」に対しては「行き詰まり」が指摘されている。“塗り”や“筆致”だけではもはや「新しくない」。
山下の作品は、白などの油絵具を下地として厚く塗ったキャンバスを、ニードル(針)で対象を削る。
その後、色のある絵具を流し込み、ふき取る、という、聞いただけでも大変そうな作り方をしている。
しかも内容は山下自身の「日記」だという。

描かれているのは、宇宙人のような性別・年齢不明の人類(と思う)による出来事が、実に細かく描写されている。
本当は他人の家で食事をしていたり、書道の練習をしているというのに。
「独特なもの」として見えてしまう内容が、山下の絵に「緊張感」を作り出している。
他の手法やもっとくだけた画風やモチーフでは、こんな感じには見えないだろう。
今回、銀座のギャラリー覚とギャラリー本城の2ヶ所で同時開催。
この技法を始めた頃の作品を展示していたギャラリー本城に比べ、山下が去年秋にも個展を開催したギャラリー覚には、近作・新作を中心に展示されていた。
展示風景写真を見れば分かるように、実に秋からこの会期までに作られた作品の、実に多いこと!画像ではわからない、「本物」の持つ「凄み」を、是非あなたにも見ていただきたい。

TEXT 藤田千彩

Gallery 覚・ギャラリー 本城合同企画 山下律子展

2005年2月7日(月)〜2月26日(土)
Gallery 覚
ギャラリー 本城

著者プロフィールや、近況など。

藤田千彩(ふじたちさい)

1974年岡山県生まれ。
大学卒業後、某通信会社に勤務、社内報などを手がける。
美学校トンチキアートクラス修了。
現在、「ぴあ」「月刊ギャラリー」「ARTiT」などで美術に関する文章を執筆中。
http://chisai-web.hp.infoseek.co.jp/

 

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