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c) 染谷聡《Praying for Rain》 2005年
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素材は陶磁、ガラス、漆といった工芸のものでありながら、形や色や絵柄は現代風の不思議な立体がショーケースに並ぶ。
上記に挙げた以外に、大原れいら(1980年生まれ)、梶木奈穂(1981年生まれ)、花塚愛(1982年生まれ)、中村牧子(1982年生まれ)、田中知美(1983年)、越川久美子(1983年生まれ)、佐合道子(1984年生まれ)、服部真紀子(1984年生まれ)、齋藤大輔(1985年生まれ)、村上愛(1985年生まれ)、篠崎裕美子(1987年生まれ)、と出品作家29作家のうち80年代生まれが13人も占める。
青田買いをしている気がするのは、私だけであろうか。
「美術とは」あるいは「工芸とは」という問いに対して、答えはあるのだろうか。
美術であっても工芸であっても、作家本人の問題である手法や技法、素材を選ぶこと、また、観客サイドの問題である鑑賞する、愛でること、いずれも違いはない。
実用的か、という点で考えても、工芸品と呼ばれるものが茶碗や花瓶だけではない。
この展覧会では「その形、アート?工芸?」「その色、アート?工芸?」と悩ましいものが多かった。
「それってロック?ポップス?」と疑問に感じていては音楽が聴けないように、もはやカテゴライズする行為自体が、現代社会と乖離していることなのかもしれない。