東亭順は、空をモチーフにしたペインティングの作家だ。
今回の展示は、美術館という天井高で壁の広い空間を生かした、
大きな作品2点と、小品を散らばめた。(画像=A)絵画作品は源生ハルコも出しているが、(画像=B)東亭の場合は部屋を囲むようなせいもあり、ゆっくり作品に包まれているような感じがした。
今回の展示では、階段を使ったインスタレーションが印象的だ。(画像=C)
上を見上げるとオーガンジーの布が重ねられ、
天井の蛍光灯などの光を利用しているせいか
その層のはざまに、いくつものビーズが入り込んでいるのが見える。
空を見やると、きらめいたり、揺らいでいる。
このインスタレーションを見て、絵画作品を見ると、
東亭が見せたい空は、重なった層や空気で出来た空なのだと思う。
インタビューで「塗るたびに磨く」と言っていたけど、
重ねる塗りは、合わせ重なったオーガンジーと同じ意味なのだろう。
表面だけでは見切れない、深さをもう少し知りたい。