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佐原和人インタビュー
より高く 
よりしなやかに

Kazuhito Sahara Interview

色は私の目を奪う。
水彩絵具やアクリル絵具は、色そのもの、濃淡、筆致が目に見えやすい。
それらは、作家の息づかいであり、動きであり、考え方とも言えるだろう。
今回紹介する佐原和人は、やさしい人柄からにじみでる色もやさしい。
毎日絵具を使うように、毎日ランニングをしている。
彼の生きる姿は、絵画表現の姿勢にも現れている。
 
成るべくして画家になった

 
  藤田
こんにちは。佐原さんは9月4日まで、東京駅前にあるH.P.FRANCE WINDOW GALLERYで展示をされています。私も初日におじゃましたのですが、ショーウィンドウという場所も苦としない展示、設置方法は面白いですね。個人的にはぼんやりじゃなく的確な色の淡さに魅かれました。佐原さんは水彩をいつからされてるんですか?

佐原
父が水彩画家なんですよ。


藤田
え?本気のですか?専業のですか?

佐原
はい。もともとは芸大の油絵科を出てるんですけど、水彩をやってたんです。それで小さい頃から絵具と紙はあって、それで遊ぶしかないので、遊んでました。


藤田
お父さんは雑誌の表紙とか描いてたりとかなさってたんですか?

佐原
そういうのもやってましたし、デパートでやったり、公募展に出していたりしてました。


藤田
水彩って、油彩の世界とは違う動きじゃないんですか?

佐原
でも洋画と呼ばれるジャンルでの展覧会に行くと、水彩って父1人だったりして。そういう父のもとに育って、目の前にあるものを混ぜて塗ったり描いたりしてました。
いまだに幼い頃のものは、実家に行けばあるんですけど。


藤田
取ってあるんですか!

佐原
そうなんです、父が取っておいてくれたんですね。
その後は、目の前にあるんだけど絵に興味がないというか。中学、高校と陸上部にいて。


藤田
え?陸上部?なんで??
 
 
Period (Spring) 2007 和紙、アクリル彩色、木枠張り 220×546mm
 
 
体育会系陸上部育ち

 
  佐原
身体を動かしたかったんですよね。その時期ってエネルギーもてあましてるから、くたくたになって疲れて寝る、っていう。


藤田
若い!!

佐原
いまでもその気はあって、夜、家の前にある公園を走ってます。走ると気持ちいいんですよ。

藤田
さすが陸上部ですね。

佐原
家に出る前にお風呂のスイッチを入れて、20分ほど走って、帰ってきたらお風呂が沸いてるっていう。走ると疲れが取れます(笑)。

藤田
そうなの?すごい体力あるんですね。

佐原
まえ、ニューヨークに住んでるアーティストの人で、10歳くらい上の人が、「30歳越えたら必ず体力が落ちる、そうなるとメンタルに来る、メンタルが落ちるとアーティストとして作品が作れなくなる。気が狂って作品を作るわけじゃないから、自分をコントロールした上で作品を作るんだから、まず体力をつけなさい」と言ってたんですね。いま確かに30歳越えて、その意味がよく分かるし、陸上部でよかったなって思います。


藤田
陸上部では何してたんですか?

佐原
棒高跳びです。

藤田
ぼ、棒高跳び???

佐原
中学では短距離をしてたんです。高校はスキー部に入ろうと思ったら休部で。高校に入ったときの体力測定で、陸上部の人に「早いね、入らない?」って誘われて。その誘った人が短距離じゃなくて、棒高跳びをやってたんですね。それで、僕も(笑)。

藤田
道連れに合っちゃったんですか・・・。

佐原
棒高跳びって道具も大変だし、大会も朝一番から夕方最後までだし。でも東京都で棒高跳びをやってる人って少なくて、他の競技同様「選抜選手」というのがあるんだけど、人数が少ないから選抜というより、皆が選抜選手になってしまうんですよ。

藤田
大学推薦とか、なかったんですか?
 
 
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佐原和人(さはらかずひと)
1975   東京都生まれ

個展
2007   「Hidden Window」(Cool Train Gallery、東京)
2005   「The Reflection」(Galerie SATELLITE 2、パリ)
2004   「Strolling Tokyo」(柴田悦子画廊、東京)
2003   「Bordering point」(柴田悦子画廊、東京)
2002   「THE FLOWER IN MOTION.」(柴田悦子画廊、東京)
「The Wind in Motion.」(トーキョーワンダーサイト本郷、東京)
「The Window in Motion.」(画廊宮坂、東京)

グループ展
2007   「都市への対話と関わり」(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)
「俊英作家クリスマスコレクション」(さいか屋、川崎、銀座松坂屋、東京)
「Central East Tokyo 07」(アガタビル、東京)
タグボートビューイング「7人の若手作家展」(タグボート、東京)
「Tokyo Story」(Esso Gallery、ニューヨーク)
「シンジュク アート インフィニティ」(マルイシティ新宿、東京)
「Jardin Secret」(Yukiko Kawase、パリ)
「作品になった気まぐれな猫たち」(さいか屋、川崎) 
2006   「デジタルアートフェスティバル東京2006」(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)
「俊英作家クリスマスコレクション」(さいか屋、川崎、銀座松坂屋、東京)
「Another Product」(Cornerhouse、ドイツ・マンチェスター)
2005   「Fuckin' Brilliant!! マジヤバい!」(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)
「俊英作家クリスマスコレクション」(さいか屋、川崎、三越、仙台、銀座松坂屋、東京)
「How far to utopia ∞月スピリット」(トーキョーワンダーサイト渋谷、東京)
「Salon SATELLITE 横浜」(画廊 楽、横浜)
「ワンダーシード+(プラス)展」(トーキョーワンダーサイト本郷、東京)
2004   「俊英作家クリスマスコレクション」(さいか屋、川崎、銀座松坂屋、東京)
「How far to utopia」(Rockwell、ロンドン)
デザイナーズウイーク2004「CONTAINER EXHIBITION」(お台場・青海R地区、東京)
「MMAC Festival in Tokyo 2004」(セシオン杉並、東京)
「トーキョーワンダーウォールの作家たち展2000〜2003」(東京都現代美術館、東京)
「トーキョーワンダーサイトの作家たち展」(トーキョーワンダーサイト本郷、東京)
2003   「若手作家クリスマスコレクション」(さいか屋、川崎)
「リサイクラート展」(青山スパイラルガーデン、東京)
東京デザイナーズウイーク2003「CONTAINER EXHIBITION」(お台場・青海I地区、東京)
「Tシャツバイブル展」(六本木ヒルズ 東京シティービュー、東京)
2002   「TOKYO SKIN Ver.2」(トーキョーワンダーサイト本郷、東京)
「TOKYO SKIN」(トーキョーワンダーサイト本郷、東京)
「七夕展」(フォトギャラリー・シモダ、秋田)
2001   「TOKYO WONDER WALL」(東京都現代美術館、東京)
「佐原家族展」(桜ヶ丘ミュージアム、豊川)
「新制作展」(東京都美術館、東京 京都市美術館、京都)
佐原和人さん 
 



 

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